ニキビ・吹き出物ができた…ほっとけば治るだろうと思っていたらいつまでも治らないし、腫れるし膿が出る、何度も再発する、しこりのようなものが残る…。それ、もしかしたら「粉瘤」かも知れません。ニキビなどのできもので処方されることもある薬の中に抗生物質がありますが、頑固な粉瘤にも同様に抗生物質の効果はあるのか、治すことはできるのかという点を解説していきます。
粉瘤に抗生物質
まずは自身で実際に服薬した経験をお話しします。粉瘤が年中、体のどこかにできている体質の僕は絶好の実験体でした。ニキビに悩んで皮膚科に通っていた際に処方されたミノマイシンと、アクアチムクリームを使用しました。それぞれ抗生物質の内服薬と外用薬(飲み薬と塗り薬)です。
さて、上記の薬をしばらく飲んだり塗ったりしましたが、ニキビに関しては徐々に治っていくものの、粉瘤のしこりに変化はありませんでした。触ってみると小さくなっているわけでも大きくなるわけでもなく、塗る前と何ら変わっていないようです。
ニキビ治療薬について
皮膚科受診時にニキビ治療薬として処方されていたディフェリン、ベンザック、ベピオゲルなどの塗り薬も試してみました。ニキビに塗るように粉瘤ができている箇所にしばらくの間塗布する日々を続けてみましたが、こちらも同様に特に変化はありませんでした。
なぜ治らないのか
そもそも、粉瘤のしこりというのは皮膚の下の袋のような物の中に皮脂や角質がたまってできているもので、そこに対して細菌を殺す作用のある抗生物質や、ニキビの原因菌であるアクネ菌などをターゲットにしているニキビ治療薬の意味はないのです。粉瘤を根治させるには、袋を取り出す手術をする必要があると言われています。
粉瘤の腫れには有用
粉瘤が炎症を起こして腫れたときには、抗生物質が処方されることもあります。細菌感染による炎症ならば抗生物質の服用で腫れがひくことが期待できます。ただし、粉瘤が腫れる原因は細菌感染だけではないという説もあるので、自己判断ではなく受診して医師の判断をあおぐことが大切です。
粉瘤と抗生物質の関係
これまでのことから、抗生物質では粉瘤を完全に治すことはできないということが分かりました。一方で、粉瘤が炎症を起こして腫れているときに症状を緩和するために処方されることはあります。炎症を起こし、破れて膿が出る過程で痛みやわずらわしさもあるし、何度も繰り返すと袋と皮膚の癒着が複雑になる可能性もあるそうです。炎症予防のために常に抗生物質を服用し続けることは非効率ですし、やはりどうしても気になる場合は病院で袋を摘出することが安全と言えます。
おわりに
同じできものに見えても、ニキビとは成り立ちが違っている粉瘤。安易にニキビ用の治療薬や抗生物質を使ってしまうと、薬の無駄になったり、もしかしたら悪化してしまう可能性もあるかも知れません。いつものニキビとは違うできものができたら、まずは皮膚科などの専門医に相談したうえで、正しい処置をしましょう。
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