ニキビの親玉みたいな扱いされてるけど、実はけっこう別物で侮ると怖い粉瘤。病院に行かずに自分で治した体験談です。
自己対処を推奨する記事ではない
一応初めにおことわりしておきますが、この記事は決して粉瘤の自己対処を推奨するものではありません。どちらかというと早めに病院に行かずに酷い目にあったという内容のお話です。
できものが酷くなったら病院へ行きましょう。あと若干エグい表現があるかも知れないので苦手な方はご注意ください。
事のはじまり
大学2年の夏でした。ふとなんかお尻がかゆいなーと思ってかくとポツっとできものが。お尻の右ほっぺの辺りです。その時点では粉瘤なんてものの存在は知らなかった僕は、ニキビか、ほっときゃ治るわと思って放置しました。
肥大化する日々
日に日に大きくなっていくお尻のできもの。僕も数日は今回のニキビは大物だなーなんて余裕ぶっこいていました。でも3日が過ぎたあたりでこりゃちょっと違うぞと思い始めます。小豆くらいの腫れになって、熱も持っています。自分で潰そうとしてみるも、いつものニキビのように「芯」のようなものがなく、皮膚をちょっとしぼってみても膿が出てくる様子もありません。皮膚科にでも行くべきか?と思いつつも、そのまま更に数日を過ごします。
講義も座って受けるので、自分の体重でできものが圧迫されて痛いです。仲のいい友達には事情を話してましたが、人数の多い講義などでは恥ずかしいのでなるべく周りに気づかれないようにしてました。それでもその頃の僕は動きが不自然だったと思います。
そしてついにできものはゴルフボール大へ。こうなると痛すぎてあまり動けなくなります。そしてなんとそのお尻のできものが原因と思われる発熱も。37~8度くらいで、患部自体もめっちゃ熱くなっています。とりあえず大学を休んでネットでこの症状について調べます。遅ればせながら、ここでようやく粉瘤のことを知り、同時に自分はこれだということを悟ります。
たこの吸出し
どうやら粉瘤はニキビとは別物で、皮脂やら角質がたまった袋のようなものが皮膚の下にできていて、炎症を起こして腫れた場合はニキビよりもっとすごくなる場合もあるらしい。自然に決壊してくれればいいんだけど、そうはならずにただ膿はたまり腫れはひどくなっていきました。
そこでなんとかならないかとネットでググって知ったのが「蛸の吸出し」という昔ながらの商品。患部に塗ると膿を出やすくしてくれるというまさに今の僕にうってつけの品です。早速薬局へ探しに行こうかと思いましたが、痛すぎて動けず…。
途轍もなく情けない気持ちになりつつも、当時付き合っていた彼女へ助けを求めました。無事見つかったらしく蛸の吸出しを買って来てくれ、ついでに患部に塗ってもらいました。別に痛みが楽になるわけでもなかったけど、ただ塗るとスースーしました。
決壊
ずっとお尻を出しているわけにもいかないので、塗った上からガーゼを当てテープでとめてからズボンを履きました。(ガーゼの方にたこの吸い出しを塗ってそれを患部に貼りつけるという手順でもいいと思います。)とにかくそんな状態でしばらく安静に過ごしました。
説明書に1日2回貼り換えて下さいとあったので、よきところで再び塗り直し、またガーゼを装着。そうこうしているうちに、なんかできものの腫れがフニャっとしてきます。ふやけた感じというか…。これはもしやと思い、軽くしぼってみると…そのときの様子をたとえるなら、まさに火山の噴火でした。
できものが破れ、黄色っぽい膿と血がまざったドロドロの液体が大量に溢れてきます。あわててティッシュを当て、痛みに耐えつつ膿を全部出し切るために強めにしぼります。数十分格闘したあととりあえず綺麗にするため風呂へ。ゴルフボールほど腫れていた部分は、クレーターのように抉れていました。
塗ってから破れるまでの時間
ちなみにたこの吸い出しを患部に塗ってから腫れが破れて膿が出てくるまでの時間には個人差があるようです。数日塗り続けてやっと膿が出てくる場合もあります。塗ってすぐに決壊した僕のような例は、塗る前から既に限界まで腫れていたということもあるかも知れません。大切なのは、わずらわしく思っても自分から無理やり潰すのではなく、自然に膿が排出するのを待つことです。
ただ、もし何日も塗り続ける余裕があるなら大人しく皮膚科に行った方がいいとも思います。どのみち炎症が起きていて腫れた状態ではすぐに粉瘤の袋は摘出できず、まずは切開して膿を出す処置になりますが、たこの吸い出しを使って出すよりは専門家にやってもらったほうが危険は少ないし跡が残りにくいでしょう。
その後
粉瘤が破れて膿が排出されると、嘘のように熱も引き体のだるさもなくなりました。次の日からまた普通の学生生活へ戻ります。しかし、粉瘤があった場所にできた大きなクレーターは今だにそのままで、僕のお尻の右ほっぺにはずっとえくぼがある状態です。
粉瘤は膿をためていた袋を取り出さないとまた再発するそうですが、その部分に関しては今日まで一度も再発していません。あまりに大きな腫れだったので決壊したときに袋も一緒に流れ出たのかも知れないと思っています(かなり希望的観測ですが)。
とにかく壮絶な戦いでした。このように自力で治そうとすると時間もかかるし、僕のように運が悪いとけっこう目立つあとも残ります。いつもと違う大きなニキビが出来たと思ったら、早めに病院へ行きましょう。もしどうしようもなくなってなんとかして膿を出したいという場合にだけ、応急処置的な意味でたこの吸い出しという選択肢をご紹介しておきます。
粉瘤以外の可能性
この記事では僕の粉瘤との戦いを書きましたが、「お尻 できもの」などの検索ワードでこちらにたどり着いた方向けに、そのできものが本当に粉瘤なのかどうかの判断の参考までにお尻にできる粉瘤以外のできものの例を載せておきます。まあ文章だと限界があるので結局は病院に行くのが一番ですが、場合によっては皮膚科より肛門科のお世話になった方がいい可能性もあるので特にできものができている「場所」に注目してみてください。
まとめ
痔ろうの記事だったり、なんだかお尻周りの不幸エピソードが多いこのブログです。汚くてすみません。何度も言いますが、クレーターを作りたくない方は粉瘤ができたらまず病院へ。また、何もしていない状態で力づくで潰そうとするのも危険なので止めましょう。僕は自分のお尻のへこみを見る度あの頃の壮絶な日々とたこの吸出しを塗ってくれた当時の彼女を思い出します。
コメント
私の場合は腕にできたしこりが気になり、
粉瘤かと思って皮膚科行ったら石灰化上皮腫でした。
興味深いネタの記事が多く、楽しませてもらってます!
>774さん
コメントありがとうございます!
石灰化上皮腫、存じませんでしたのでググってみました。
見た目がとても粉瘤に似ていますね。
その後無事治られましたでしょうか。
嬉しいお言葉ありがとうございます、他の記事もご覧いただき感激です!
昨日から同じく巨大化してきて調べていたらたどり着きました。早速、タコの膿だしさがしてトライします。
>三澤 勲さん
コメントありがとうございます!
炎症で腫れてきた粉瘤は痛みもあって嫌ですよね。
ただ、たこの吸い出しも必ず適切に効くという保証はないですし、できものが粉瘤であるという判断も専門家でないと出来かねると思うので、一応、自己責任という体裁上、まずは病院の受診をおすすめしておきます。
お大事になさってください。