なんかお尻に違和感がある。痛い。多分痔だろうな…と思って放置しているあなた。症状が軽度なら痔は割と放置してしまいがちですが、もしもそれが痔のラスボスとも言われる「痔ろう」なら、ちょっと大変かも知れません。
早めに対処できるように、いわゆるイボ痔や切れ痔などの痔と、痔ろうとの見分け方を考えてみます。
痔ろうの予兆とは
痔ろうは、いきなり「痔ろう」という症状になるわけではなく、最初は肛門の周囲にぷっくりとニキビのような腫れができます。これは読んで字のごとく「肛門周囲膿瘍」と呼びます。この膿瘍がひどくなり、肥大し最終的に破裂すると血や膿が出ます。そしてその穴が肛門とのトンネルのようになってしまった状態が痔ろうです。
つまり、この痔ろうの前段階と言える肛門周囲膿瘍に注意しなければなりません。これになると、後に高い確率で痔ろうへと移行すると言われています(100%そうなるというわけではないようですが)。
肛門周囲膿瘍の判断
では、肛門周囲膿瘍とはどのような症状なのでしょうか。基本、肛門周囲に違和感や痛みを感じるという点では似ているため、経験したことのない方は普通の痔と勘違いしてしまうかも知れません。
切れ痔、いぼ痔、痔ろうとほとんどの痔になったことのある不幸な僕の経験から、それらの感覚の違いを語ってみます。
場所について
まず、痛くなる部分。いぼ痔や切れ痔は、肛門自体にそのまま違和感を覚える感覚がありますが、肛門周囲膿瘍はそこから少し離れた部分にピリっとした痛みを感じます。
これも個人差があるので必ずそうだとは言い切れないですが、お尻に違和感を覚えたらその場所に注目してみてください。あくまで肛門周囲なので、あまりに肛門から離れていた場合は普通のニキビか、粉瘤などのできものの可能性もあります。
痛み方
次に、痛みの種類。完全に僕の経験からの感想ですが、いぼ痔はほぼ痛みはなく感じても鈍痛、切れ痔は痒みを伴ったようなヒリヒリした感じ。
一方肛門周囲膿瘍になったときは、それらと数段違う鋭い痛みを感じました。肛門に力を入れてみたり、座ったときなどに体がビクッ!となってしまうほどの痛みが走ります。なので、痔にしては痛すぎる、と思ったら注意かも知れません。
出血など
初期段階の肛門周囲膿瘍は目立つような出血はありませんでした。腫れが決壊し排膿するときには盛大にブシャーっとなりますが、そうなったときにはもう時既に…って感じなので、初期から「血がでるかどうか」という点で見分けようとするのは難しい気がします。
が、僕が肛門周囲膿瘍になりたての頃、排便後にトイレットペーパーで拭いたときに、赤色ボールペンでチョンとしたような赤い点が付くことがありました。これは他に肛門周囲膿瘍になった方の報告としていくつか見かけたことがあるので、汚いかも知れませんが「トイレットペーパーに点でちょこっと血がつく」というのは一つのチェック材料でしょうか。
感触について
腫れがひどくなってきたころは明らかに触ると膿瘍ができた部分がプクッと盛り上がっているのですぐに分かります。
初期段階では、注意深く違和感のある部分を触ってみると、ポチっと小さい突起ができていました。それが次第に大きくなっていくような経過でした。(触りすぎると悪化する可能性があるのでほどほどに。)
発熱について
肛門周囲膿瘍の場合、触れてみると患部が熱を持っていることがあります。更に自然決壊直前まで大きく腫れていた時期は、風邪の症状のように発熱して体がだるくなりました。その後排膿するとこの症状は無くなりました。熱という点も注目すべき部分です。
発症しやすい状況
ストレスや生活環境、疲れによって免疫が落ちているとできやすくなるようです。最も直接的になりやすい要因としては下痢で、更に必要以上に排便時にいきみすぎると、便の菌が肛門周囲に侵入しやすい条件となります。
肛門周囲にこれまで記したような違和感が出た方で、最近下痢をしたり免疫が落ちている心当たりがある方は要注意です。
早期発見の大切さ
なぜ肛門周囲膿瘍を早く見つけることが大事かというと、初期段階では抗生物質などの薬で沈静化させられる可能性があるからです。
腫れがひどくなり痛みでどうしようもない時期にきてしまうと、自然決壊をするかもしくは病院で切開して排膿することになります。別に不安を煽る気は毛頭ありませんがこの排膿がけっこう痛いです。なので初期段階で沈静化できるならそれに越したことはありません。
一度破けて膿が出るとそのまま痔ろうになってしまう確率も高くなります。いずれにせよ、肛門周囲膿瘍の可能性がある、と感じた場合は、まずは肛門科へ受診することをおすすめします。
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