本当に大人でも楽しめるのか ナルニア国物語

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ライオンと魔女―ナルニア国ものがたり〈1〉 (岩波少年文庫)

 

ファンタジー小説強化月間を密かに続けています。ついに児童文学にも手を出しました。映画にもなっているナルニア国物語。僕は映画も小説も知らなかったので全く予備知識すらない状態でした。ネットなどのレビューでは「大人が読んでも面白い」という文句をよく見かけたので、それなら僕も読んでみようと思い立ちました。

感想

スタンダードな勧善懲悪

児童向けの物語なだけあって、ストーリーは分かりやすくシンプルです。悪い魔女がいて、困っている動物がいて、頼もしい味方がいて、子供たちが世界を救う。特にどんでん返しなどもなく、正義が悪を倒して大団円で終わります。変に身構えなくていいぶん、安心感がありました。大人もたまにはこういう予定調和な本を読むのもいいですね。

割とエグい描写もあり

味方側の象徴的存在であるアスランが一度は敵に捕らわれ徹底的にやられる場面があります。毛を剃られて縛られて袋叩きにあうのですが(要約したら変な感じに聞こえますね)、割とそこらへんの描写が濃く子供が読んだらこのシーンがトラウマになるんじゃないかとちょっとだけ心配になりました。まあ人間じゃなくてライオンなので…と言われればそうなのですが。プリン中毒になる場面もなんか危ないクスリでもやってる人みたいで怖いですね。

翻訳の面白さ

岩波版の翻訳が独特で、読みながらこれ原語はなんて言ってるんだろう?と思っていました。特に面白かった部分をいくつかご紹介します。

Before you say Jack Robinson = 竹屋の竹右衛門という前に

Turkish delight = プリン

引用:Wikipedia ナルニア国物語

竹屋の竹右衛門がそもそも分からなかったのでネットで調べましたが…結局あまりヒットせずよく分からずじまいでした。むしろ原語で調べたらすぐヒットしました。「あっという間に」という意味だそうです。他にもターキッシュディライトという日本では馴染みのないお菓子をプリンに変更したそうです。調べてみるとプリンとは似ても似つかないものでした。けっこう思い切った翻訳ですね。

大人が読んでも面白いのか

僕は一応最後まで読みましたが大人には物足りないかも知れません。あくまで僕個人の感想です。やはり子供向けなので先の展開が読めてしまうしテンプレ的ストーリーなので退屈でした。さらに平仮名が多くて読みにくかったです。これをドキドキハラハラしながら読むためにはいつの間にか無くしてしまった純粋な心が必要です。そういう意味ではこれを楽しんで読める大人は純粋な心を持ったいい人なのかも。

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まとめ

これは1巻のみの感想で、この物語はこの先まだ続いていて全7巻あるみたいです。ですが僕は1巻読んでみてとりあえず先を読む予定はありません。この先また4人の子供たちがあのナルニアの世界に再び迷い込むのか…どういった展開になっていくのか少しだけ気になりますが。あ、クローゼットの中を抜けて雪の森の中という神秘的な異世界に迷い込む場面は大人な僕でもちょっとワクワクしました。こういったファンタジー要素はいくつになっても大好きです。最近ライトノベルで異世界モノが流行っていますがその元祖?に近いこの作品、まだ未読の方は読んでみてはいかがでしょうか。純粋な心をもって挑めば楽しめるかも知れません。

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