空気が乾燥する時期に喉が痛み出すと、まず疑うのが部屋の湿度です。確かに長く過ごす自室の湿度が低いと喉が痛み、インフルエンザなどのウイルスに感染する危険性も高まります。しかし、乾燥が原因だと思っていた喉の痛みの原因が他に他にあった…というケースがあります。思い込みで加湿器などを使用すると逆効果になってしまうかも知れないので、本質を把握し正しい対策を立てます。
部屋の湿度を把握する
まず大切なのは、喉が痛み出したからといってイコールで「部屋の空気が乾燥している」と決めつけないことです。部屋の湿度が気になりだしたら、費用もそこまでかからないのでまずは湿度計を導入してみましょう。普段の湿度を把握した上で、初めてそれに合った対応をします。
湿度が40%以下
導入した湿度計を確認し、普段の湿度が40%以下だった場合は、喉の痛みは乾燥が原因の一つと考えてよいかも知れません。冬場などは住んでいる地域や環境にもよりますが更に下の30~20%まで下回ることもあります。このような湿度では人間が快適に暮らすには低すぎますし、前述のようにインフルエンザなどの季節性の風邪、ウイルス感染の危険性も増します。
このケースでは、加湿器を導入して湿度を適切にするなどの対策を取るとよいでしょう。
湿度が40%以上
人間が生活するのに適切な湿度は40~60%と言われています。冬場などの感想する時期に40%以上あれば十分快適と言えると思います。それ以上空気を湿らせるかどうかは好みによりますが、あまり湿度を上げすぎると部屋がカビの温床になります。この数値以上の湿度なら部屋が乾燥しているとは言えないので、喉の痛みの原因は乾燥ではない可能性が高いです。
乾燥が原因でないケース
では喉の痛みの原因はどこにあるのか。実際に私が経験したことでもありますが、いつも自室にいる際に喉が痛くなっていた頃がありました。そのときは部屋の湿度が低いと思い込んでいましたが、上記のように湿度計を導入してみると、なんとむしろ私の部屋の湿度はかなり高めだったのです。冬場でも60%超えが平均、場合によっては何もしなくても70まで達することも。
部屋が乾燥していると思い込んで、加湿器の導入まで検討していた私にとってこの数字は衝撃でした。デフォルトで常に加湿器フル稼働くらいの湿度の中で過ごしていたとは。しかし、ここまで空気が湿っているということは、一体この喉の痛みの原因は何なのでしょうか。
家具の後ろに隠れていた正体
単純に、汚れやハウスダストという可能性も考えましたが、部屋の掃除は気を使っている方で、一応清潔にしていたので、その線はあまり考えていませんでした。
しかし、その頃たまたま部屋の模様替えをしたのですが、なんとずっと同じ位置に置いていた木製の棚を動かすと…。棚の裏の壁に黒カビがびっしり生えていたのです。壁紙にしみこむようにして黒い模様がついています。
なぜ黒カビが…と考えると、やはり部屋の異常に高い湿度が原因かと考えます。冬場でも60%超えということは、梅雨~夏のジメジメする時期には80~90%近くまで上がる部屋だったのです。何年もそんな部屋で家具を動かさなかったので、見えない場所で黒カビが繁殖していたんですね。
原因はカビだった
その後すぐに専用の洗剤等を使い黒カビを除去し、家具もその時のものは処分し新調しました。すると、嘘のように自室で過ごす際の喉の痛みがなくなりました。どうやらこのカビたちが空気中に交じって喉が痛くなっていたんだと思います。何とも悪影響な部屋で過ごしていたことに後悔しました。
なぜカビが発生したのか
なぜこのようなことになってしまったのかと言えば、湿度が高いからという答えになります。ではなぜ部屋の湿度がこんなに高いのか。山が近い田舎という点もありますが、結露がひどかったというのが主な原因かと思います。あまり換気をせず、窓の外と中の温度差もあるため、結露が発生しやすい環境になっていました。
換気を適度にすることと、冬場向けのデシカント式の除湿器を導入することでそれらの症状を緩和しました。ふたを開けてみれば加湿器よりむしろ除湿器が必要な環境だったなんて、湿度計を導入して初めて知りました。
おわりに
このように、喉が痛いから部屋が乾燥している…と思っていたら、むしろ湿っていたというケースもあります。何も知らずにそこから加湿したらむしろ環境は悪化します。カビやハウスダストなど、環境由来の原因を他に探ってみることがまず大事です。
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