女子高生が中国風の世界でサバイバル 十二国記

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月の影 影の海 (上) 十二国記 1 (新潮文庫)
ファンタジー小説強化月間第6弾くらい。これもおすすめ作品としてよく見かけるので手にとってみました。十二国記物語。上下巻に分かれていて読み応えがありそうで、更に世界観が僕の苦手な中国風な感じだったので少し尻込みしましたが、面白いなら読んでみるかってことでペラペラとやってみました。

感想

上巻はひたすら暗い

これは既に他のレビューでも見かけていたのである程度覚悟していたのですが、本当に上巻は暗かったです。孤独、裏切り、飢え、貧困。最近流行りの俺Tueee的な異世界モノとは正反対の展開に逆に一気に読んでしまいました。主人公は序盤はどこにでもいるような女子高生で異世界に連れていかれた際も文句ばっかりいって泣いて卑屈になっているので、読者側は少しイライラする可能性があります。でもそれらは全て下巻で味わうカタルシスのためであり、ここでため込んでおけばおくほどそれ以降が面白くなるのでとりあえず我慢して読んでほしいです。僕もちょっと苦痛でしたが今は頑張って読んでよかったと思っています。

作りこまれた世界設定

この作品における異世界は、日本(蓬莱)から行くことはできるが帰ることはできない(厳密にいうと帰れるけど手段が限られている)設定で、しかも神隠しのように意思とは関係なく迷い込んでしまうというところから割と怖いです。人間は木に実るとか、神様が実在するとか、王と麒麟の存在に関してとかとにかくぶっとんだ世界ですが読み込むとよく作られていて、この世界のことをもっと知りたくなってしまいます。またその世界の情報も小出しにしてくるので、主人公と同様に何もわからないところから迷い込んだような感覚になります。

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まとめ

主人公である陽子の上下巻での変わりっぷりが面白いです。前半は読者を苛立たせるような気の弱い女子高生だったのが、男勝りなカラッとした女性に変貌します。まああんな経験すれば変わるよな…と思いました。下巻に入ってからは一気に読んでしまいました。最後の巧国の王を倒すシーンがダイジェスト的に端折られていたので、そこは描いて欲しかったですが。ゲームやアニメなど過去に色々とメディアミックスもしているようで、機会があればそれらもチェックしてみたいです。気に入ったので既に続きを読み始めています。その感想もまた書きたいと思います。

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